企業は、AIに最も精通した従業員を失うリスクを抱える一方、大多数の従業員が取り残される恐れ:PwC
- 労働者全体でAI利用は10ポイント上昇する一方、学習・能力開発リソースへのアクセスは8ポイント低下
- AIを毎日利用する労働者は、経営陣を信頼し、雇用の安定性に自信を持ち、技術の変化を前向きに捉える傾向が大幅に高い
- しかし、労働者の大半(56%)は取り残されつつあり、必要な学習・能力開発リソースを利用できると答えたのは5人に2人に過ぎない
- 一方、高いAI活用能力と希少なスキルを備えた「フロントランナー」層の従業員のほぼ3分の1(29%)が、今後1年以内に転職する可能性が「非常に高い」または「極めて高い」と回答
- 生活費高騰による負担が増大:月末に手元にお金が残っていると答えた労働者は3分の1にとどまり、前年比8%減少
ロンドン, 2026年9月29日 /PRNewswire/ -- AIスキル格差の拡大により、労働者間の格差も広がっています。AI利用や職場の変化のペースが加速する一方で、学習・能力開発へのアクセスが低下し、大多数の労働者が取り残されるリスクに直面しています。
PwCが48か国・地域の約5万人の労働者を対象に実施した「グローバル従業員意識/職場環境調査『希望と不安』2026」によると、急速な変化、業務量の増加、生活費上昇の圧力に労働者が直面する中、従業員の成長の道筋や職場での経験を巡り、楽観度に差が生じていることが明らかになりました。
必要な学習・能力開発リソースを利用できると回答したのはわずか51%で、昨年の59%から低下しました。
この格差は、スキルの希少性が低く、AI学習の習熟もまだ進んでいない「エンジンルーム」層(56%)で特に顕著です。この層のうち、必要な学習・能力開発リソースを利用できると答えたのは5人に2人にとどまっています。
一方、AIを毎日利用している労働者は、雇用の安定性に対する自信が強く、経営陣を信頼する傾向も高く、新しいスキルを習得できるという自信も強くなっています。
PwCのグローバル・ワークフォース・リーダー、Pete Brownは、次のように述べています。
「労働者は、業務量の増加、急速な変化、外部の不確実性により、ますます大きなプレッシャーにさらされています。しかし、AIを毎日利用する人は、より自信を持ち、より高い目標を持ち、キャリアや将来の見通しをより前向きに捉えています。リーダーにとっての課題は、そうした人材を育成し続けること–ただし、他の労働者を犠牲にしてはなりません。」
AI導入が進む一方、労働者への圧力も高まる
労働者は大きなプレッシャーを感じています。月末に手元にお金が残っていると回答したのは3分の1にとどまり、前年比8%減少しました。
同時に、3分の1近く(29%)が、3年前と比べて交渉力が大幅に低下したと回答しており、その割合は、そうではないと回答した人の2倍を超えています。完全リモート勤務者では、その割合は10ポイント高くなっています。
雇用の安定性に対する最大のリスクについて、AIがより多くの業務を担うこと(44%)よりも経済の変動(57%)を挙げる労働者の方が多く、Z世代はこれらすべての指標でより強い不安を抱いています。
職場で変化を経験した人の5分の3(58%)は、過去1年間はそれ以前の年よりも変化が多かったと感じています。労働者のほぼ3分の1(27%)が、疲労感やバーンアウトによって生産性が低下していると回答しています。
労働者の大多数は、この1年間に仕事で新しいスキルを活用する必要があったと回答しており、そのうち5分の2(40%)は、その程度が「大きい」または「非常に大きい」と答えています。
リーダー層では、変化がより速く進んでいます。上級幹部の半数以上(51%)と管理職の46%が、自身の職務で新しいスキルを活用したと回答しているのに対し、非管理職では29%、エントリーレベルの従業員では38%となっています。
一方、労働者へのプレッシャーが高まる中でも、AI導入は拡大を続けています。全労働者の3分の2近く(64%)が、過去12か月間に職場でAIを利用したと回答しており、昨年から10ポイント増加しています。生成AIを毎日利用する人の割合も、14%から22%に増加しました。労働者のおよそ5分の3(59%)が、今後12か月間に仕事でのAIツール利用が増えると予想しています。このグループでは、AIを利用すると「活力が湧き、自分の力を発揮できる」と感じる人が、「疲れ、無力感を覚える」と感じる人を約5対1の割合で上回っています。
AIを毎日利用する労働者は、より楽観的でもあります。68%が雇用の安定性に自信があると回答したのに対し、AIの利用頻度が低い人では57%でした。また、昇進を求める傾向が12ポイント、経営幹部を信頼する傾向が15ポイント、新しいスキルを習得できるという自信を持つ傾向が21ポイント、それぞれ高くなっています。
労働者の新たな格差
労働者の61%は、自分のスキルを伸ばせることに概ね自信を持っている一方、学習・能力開発リソースを利用できると回答したのは半数(51%)にとどまり、59%から低下しています。この点をさらに詳しく見るため、本報告書では労働者を以下の4つのグループに分類しています。
- 「フロントランナー」(14%):希少なスキルと高いAI活用能力を備えた層
- 「AIインサージェント」(18%):スキルの希少性は低いものの、AIを活用してより多くの成果を上げている層
- 「不可欠な人材」(11%):雇用主が高く評価する希少なスキルを持つ一方、AI学習の習熟はまだ進んでいない層
- 「エンジンルーム」(56%):スキルの希少性が低く、AI学習の習熟もまだ進んでいない層
本報告書は、雇用主が「エンジンルーム」層に特に注意を払う必要があると指摘しています。このグループは、AIを利用したり、新しいスキルを習得したり、従来の働き方に挑戦したりしても報われる可能性が低い一方、労働者の大半を占め、組織の日常業務の大部分を担っています。
一方、「フロントランナー」層は、その立場から大きな恩恵を得ています。このグループは、従来の働き方に挑戦することで報われる傾向が世界平均の1.5倍、新しいスキルを習得することで報われる傾向が世界平均の1.2倍と、特に高くなっています。また、このグループは昇進を求める可能性が33ポイント高くなっています。
最も価値ある人材を引き留めようとする雇用主にとって課題となるのは、このグループのほぼ3分の1(29%)が、今後1年以内に転職する可能性が「非常に高い」または「極めて高い」と回答していることです。
PwCのグローバル・ワークフォース・リーダー、Pete Brownは、次のように締めくくりました。
「世界の労働者が異なるペースで進み始めているという現実的なリスクがあります。労働者の半数以上は、まだAIやスキルから同じような恩恵を受けていない一方、希少なスキルと高いAI活用能力を備えた人々は、ますます自信を深め、労働市場での流動性も高まっています。リーダーは、どのスキルに投資するか、人々に適応する機会をどのように与えるか、そして最も必要とする能力をどのように確保し続けるかを、真剣に考える必要があります。」
編集者向け注記
PwCの「グローバル従業員意識/職場環境調査『希望と不安』2026」について
PwCの「グローバル従業員意識/職場環境調査『希望と不安』2026」では、2026年5月から6月にかけて、48か国・地域、29業種の49,364人の労働者から回答を収集しました。本報告書の数値は、各国・地域の労働人口における性別・年齢構成に比例して重み付けされており、労働者の見解が主要な地域全体をおおむね代表するよう調整されています。
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SOURCE PwC
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